抗原回避

お薬を使っても十分な改善がない重症のアレルギー性鼻炎の方には、抗原回避のために掃除を勧めることがあります。しかしながらあまり目立った改善がないことも少なくないので、なかなか続かなかったりもします。

なぜでしょうか?実は抗原回避の対策は抗原暴露を多少軽減します。しかし残念ながらそれで症状が多少軽減するわけではないのです。

ですから、WHOが推奨するガイドラインでは、抗原回避は推奨されていません。ほかの治療(内服や点鼻薬)を受けて、改善がない方におこなってもよいという形で記載されています。

ですが、どのような対策が効果があるのでしょうか?
結論としてはダニ防止の布団、枕、掛布団カバーが効果的です。
それは、簡便で効果も高いからです。

下記はその根拠です。
よければ、読み進めてください。

私が知る範囲では、ダニアレルギーと猫アレルギーに関しては掃除、環境整備に対しての効果がある程度わかっています。

まずダニ対策ですが、

  1. アレルゲン不浸透性マットレス、枕、布団カバー
    (子供は効果あり、大人は効果は不明)
  2. 寝具を洗濯機にかける
  3. カーペットの撤去し、フローリングにする。
  4. 毎週ベッドに掃除機をかける。
  5. HEPAフィルターのついた掃除機を使用して掃除をする。
  6. 殺ダニ剤を使ってダニ退治をする。

こちらですが、1.については子供に対する効果はありとされておりますが、大人に関する効果は確認されていません。2~6については子供、大人ともに臨床効果は確認されていません。1~6に対して、すべて対策によりダニ抗原は減少する事が確認されていますが、症状の改善とは必ずしも一致しないのです。

ネコアレルギー(ペット)対策ですが、

  1. 猫(犬)を外で飼う。
  2. リビング、寝室に猫を入れない。
  3. HEPAフィルターのついた空気清浄機を使用する。
  4. ペットを洗う。
  5. カーペットをやめて、フローリングにする。
  6. HEPAフィルターのついた掃除機を使用して掃除をする。

実はこれはすべて単独では効果があまり期待できません。ただし、何個か組み合わせると効果がある事が確認できます。

いかがでしょうか?なかなかこれといった特効薬的なものはないようです。ですので、できることを可能な範囲でやるといったことが大切なようです。ダニ、ペットの抗原をすべて除去することは不可能です。布団であれば、1週間に1回程度掃除機をかけるのが良いといわれていますが、他の事に支障がない程度に対策するのが良いようですね。

その中でも手軽なのは防ダニの敷布団カバーや、防ダニの掛布団カバーなどです。
これらはこれに入れておけば、その上にかけたシーツやカバーを洗濯するだけで良い状態が保てます。初期投資は必要ですが、手間は布団に掃除機をかけるよりは楽ですよね。しかも、こどもに関しては、この対策のみでの有効性が証明されています。
また掃除機は普通のものでよいと思いますので、まずは布団カバーです。

最近(16/3/18)、ワセリンを鼻の入り口あたりに塗るのが効果的というネット情報を見ました。これも安価で簡便で良さそうですね。

下のものは別におすすめではありませんが、参考画像です。
抗原回避は大事ですが、頑張りすぎないようにしましょう。払った労力に見合った効果が必ず得られるわけではありません。

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