スギの舌下免疫療法

スギ花粉のシーズンが近くなり、スギ花粉症がある方は憂鬱な季節がやってきてしまいましたね。テレビで舌下免疫療法が取り上げられることも多く、ご興味を持たれている方も多い事かと思います。当院ではシダトレンが採用されておりますので、シダトレンの免疫療法について少し触れてみます。シダトレンはスギ花粉の抗原を濃縮した液状のお薬です。ざっくりいうと服用することによって、スギ抗原に体を慣れさせて、スギ花粉に対して体が過剰な反応をしないように教育(免疫寛容)する治療になります。減感作療法の一種です。この治療の大きな欠点は服薬時にごくまれながらショック反応(アナフィラキシーショック)が起こる可能性があることです。そのため、最初に服薬をするときには病院で薬を服用していただきます。服用方法ですが、舌の裏に薬を落として、2分間保持、その後飲みこんでいただきます。最初の服用の際にショック反応が起こらなければ、その後は自宅で服薬していただきます。服薬スケジュールは下図のとおりです。

3週目以降は維持量となり、1回分が入ったパッケージのお薬を舌下に2分間保持、その後飲み込むという服用方法を行っていただきます。

服用はスギ花粉の飛散が終わった6月あたりから、毎日服用、通年で行っていただきます。しかし、継続が困難な場合には途中でやめていただいてもかまいません。このようなこともあり、スギ花粉症を克服したいという希望がある方にお勧めします。

スギ花粉症での長期成績はまだ出ていませんが、イネ科花粉では3年治療継続で治療中止後最低2年間は治療効果が認められるという報告があります。
また舌下免疫療法、皮下注射によるアレルゲン免疫療法ともに、新規抗原に対する感作を予防する(例えば新たにヒノキ花粉症にならない)という報告もあります。

アレルギー性鼻炎の患者様にできるだけ多くの選択肢を提供して、選んでいただけるように考えております。
何かの参考になりましたら幸いです。

鳥居薬品のアレルゲン免疫療法の情報提供サイト

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