以前より、副鼻腔炎の短期滞在手術に取り組んでおります。
副鼻腔炎、鼻ポリープは仕事をされている方に悩んでいる方が多いこともあり、日帰りで安全な手術を行う事が必要されていると感じます。
対象となる患者様ですが、
- 高血圧の患者様
- 一人暮らしの患者様
には、日帰り、一泊入院などはお勧めできません。術後の出血が高率となるためです。
また、手術翌日からは日常生活可能ですが、体力を消耗しますので、御高齢の方は、体力に自信がない方は数泊入院されての手術をお勧めします。また、手術する範囲を縮小すると入院期間は短縮できますので、ご相談ください。
副鼻腔炎、鼻炎・ポリープによる鼻づまりの手術はかならず行わなければいけないものではありませんので、患者様に手術の範囲をある程度決めていただくことが可能ですので、遠慮なくご相談ください。
なお、手術は受けていただいた患者様には、術後の出血リスクの回避のため、術後しばらくの間、
- 飲酒
- 出血時に病院にすぐ受診いただけないような場所
(救急車が来れないような場所、山の中、海(船)の上)に行かない事
をお願いしております。
外来に来られてから手術までの流れを説明させていただきますので、参考にしていただけましたら幸いです。
外来での流れ
手術を受けることを決めていただいた後、手術前の検査として、心電図、採血、副鼻腔のCTなどを受けていただきます。その際に、手術について説明させていただき、手術の同意書をお渡しします。署名いただいて、後日(手術日など)に持ってきていただきます。
手術日の流れ
- 耳鼻咽喉科の外来で鼻の中に麻酔で湿らせたガーゼ(綿)を詰めます。この状態で30分以上待機します。
- 手術室で内視鏡で鼻の中を確認しながら、麻酔の注射をします。
- 麻酔が十分に効いている事を確認し、内視鏡手術を開始します。
- 手術では内視鏡で確認しつつ、
- 鼻のポリープを取る。
- 膿が入った副鼻腔の壁に穴を開けて、膿を出すなどします。
- 鼻の中に詰め物をして、血を止めます。手術を終えます。
日帰りの場合は、手術後およそ1時間程度で帰宅していただく事が出来ます。
ただし、手術後は疲れておられると思いますので、できれば一泊(以上)入院をお勧めします。
手術後の鼻の詰め物は当院は二日後に抜去します。
手術後の流れ
手術直後の2週間は週2回受診いただきます。その次の週は週に1回、さらにその次の週からは2週間に1回の受診となります。(以後、受診間隔は拡大します)
手術後2ー3か月で完治となります。それまでの間は、しばしば鼻からおおきなかさぶたがでてきたり、鼻をかむと鼻血がにじんだりします。